eスポーツとは?スポーツ・ゲームとの違いや始め方をわかりやすく解説

公開日:2024年12月24日

近年、コンピューターゲームやビデオゲームを競技スポーツとして扱うeスポーツが、世界中で急速に人気を高めています。それを示すように、2025年に「オリンピックeスポーツゲームズ(Olympic Esports Games, OEG)」の開催が正式に決定しました。

eスポーツとはエレクトロニック・スポーツの略で、コンピューターゲームやビデオゲームでの対戦をスポーツ競技として捉える際の名称を指します。日本でも活躍するチームや選手が出てきており、今後の発展が期待される分野です。

この記事では、eスポーツがどのようなものかを説明し、ゲームや従来のスポーツとの違いについて解説します。これからeスポーツを始めたい、eスポーツに興味のある方はぜひ参考にしてください。

eスポーツ(esports)とは?

冒頭でもお伝えした通り、eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ」の略称です。電子機器を用いて行う娯楽・競技・スポーツ全般を指す言葉であり、狭義ではコンピューターゲームやビデオゲームを用いた対戦競技を指します。

一般社団法人日本eスポーツ連合によると、eスポーツという言葉は、2000年頃から使われ始めました。また、同年10月にはWCGC (World Cyber Games Challenge)※1が開催され、eスポーツが認知され始めました。日本では、2018年に「一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)」が設立され、eスポーツの普及や国内の競技力の向上を目的として活動しています。

eスポーツはスポーツではない?

近年では、eスポーツのイベントが多く開催されているだけでなく、以前から行われてきたスポーツの大会と関連する形でeスポーツの大会が行われるようになりました。

eスポーツが取り上げられることも増える中、「eスポーツはスポーツなのか?」という議論もされるようになりました。調査会社が2019年に実施したアンケートでは「eスポーツはスポーツなのか?」という質問に対して、約8割近くの人が「スポーツだと思わない」と回答。これについてはさまざまな見解があるものの、一般的に認識されているスポーツとは異なるイメージを持つ人が多いことがうかがえます。

では、スポーツとはどのような定義付けがなされているのでしょうか。欧州で定められた「新ヨーロッパ・スポーツ憲章」※3によると、スポーツとは以下のように定義されています。

「スポーツとは、気軽にあるいは組織的に参加することにより、体力の向上、精神的充足感の表出、社会的関係の形成、あらゆるレベルでの競技成績の追求を目的とする身体活動の総体を意味する。」

一方で、eスポーツについては上述の通り、一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)が以下のように定義しています。

eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。」

「新ヨーロッパ・スポーツ憲章」を参照すると、eスポーツは従来のスポーツと同じように競技性が高く、頭脳や身体を使うことから、スポーツの定義に当てはまるようにも見えます。また、eスポーツは電子機器を用いるため、リアルなスポーツと異なるように見えますが、どちらも競技成績を追求する点においては同じです。

もともと英語の「スポーツ」には、肉体的な運動だけでなく、楽しみや気晴らしというニュアンスがあります。しかし、「スポーツ」という言葉が伝来した当時の日本では身体鍛錬に主眼が置かれていたため、肉体的な運動という意味が広く浸透したと考えられます。そのような背景が、「eスポーツ」をわかりにくくさせているのかもしれません。

eスポーツとゲームの違い

eスポーツとゲームの違いは、主に目的とプレイスタイルにあります。ゲームは、一般的には個人の楽しみや娯楽を目的として楽しむものであり、一人でプレイすることもあれば、友人と一緒に遊ぶこともあります。プレイヤーはストーリーを楽しんだり、スコアを競ったり、自由にプレイできるのが特長です。

一方、eスポーツは「エレクトロニック・スポーツ」の略で、競技性を重視したゲームプレイを指します。eスポーツでは、プロのプレイヤーがチームを組んで対戦し、トーナメントやリーグ戦で技術や戦略を競い合います。eスポーツは、観客を集めることを前提に開催される競技イベントであり、賞金やタイトルを目指して真剣に取り組むプロフェッショナルな世界です。

ゲームが一般的な娯楽として広く楽しまれる一方で、eスポーツは競技としての側面が強調されたゲームであり、プレイヤーの技術や戦略が試されるスポーツに近い存在です。

eスポーツの歴史

eスポーツは、設立されてまだ歴史が浅い一方で、その歴史からさまざまな取り組みがわかります。以下にeスポーツの歴史を簡単にまとめました。

出来事
1980年頃 コンピューターゲームが誕生数多くのゲーム大会が開催される
1990年頃 日本で格闘ゲームが流行し、欧米ではプレイヤーのプロ化が始まる
同時にインターネットの普及によりゲームのスポーツ化が加速する
2000年 「eスポーツ」という単語が使われ始める
WCGC(World Cyber Games Challenge)が開催される
2006年 OCA主催第2回アジア室内競技大会で、eスポーツが正式種目として採用決定される
2011年 第1回eスポーツJAPAN CUPが開催される
2015年 一般社団法人 日本eスポーツ協会(JeSPA)が設立される
2018年 一般社団法人日本eスポーツ連合が設立される

参考:「一般社団法人日本eスポーツ連合|eスポーツの歴史」(https://jesu.or.jp/)

日本のeスポーツの歴史は、1980年代にコンピューターゲームが誕生し、さまざまなゲーム大会が開催されたことから始まります。1990年代には格闘ゲームが日本で大流行し、欧米ではプロゲーマーが誕生。同時期にインターネットの普及が進み、ゲームのスポーツ化が加速しました。

2000年には「eスポーツ」という言葉が使われ始め、世界的な大会であるWCGC(World Cyber Games Challenge)が開催されました。2018年には、eスポーツのさらなる発展を促進するため一般社団法人日本eスポーツ連合が設立されています。これにより、日本のeスポーツが本格的に成長する基盤が整いました。それ以降、日本でもゲームから競技への進化が進み、ますますeスポーツの認知が拡大されるようになりました。

eスポーツの市場規模

日本のeスポーツの市場規模は、年々上昇しています。以下のグラフは「2019~2025年eスポーツ市場規模推移」を表したものです。

eスポーツの市場規模

出典:「一般社団法人日本eスポーツ連合|2019~2025年eスポーツ市場規模推移」(https://jesu.or.jp/contents/about_esports/)

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年から2021年にかけての成長率は鈍化傾向が見られたものの、市場規模は着実に拡大しました。2022年以降は、国内外の大型競技大会の開催も追い風となり、年平均20%を超える成長率で拡大することが見込まれています。また、2025年の国内市場規模は、約200億円に達すると予想されています。

eスポーツの種目(ジャンル)

eスポーツには、さまざまな種目があります。ここでは標準的な種目とその特徴、タイトルを紹介します。

シューティングゲーム

シューティングゲームは、銃などの発射物を使うゲームです。主にFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)とTPS(サードパーソン・シューティングゲーム)の2種類に分類されます。それぞれの頭文字を略してFPSとTPSと呼ばれています。

FPSは一人称視点のシューティングゲームで、ゲームを操作するプレイヤー視点で楽しめるのが特徴です。対するTPSは、三人称視点のシューティングゲームで、第三者のキャラクター視点でプレイします。

FPSの主なタイトルには「Call of Duty®(コールオブデューティ)」や「Battlefield™(バトルフィールド)」があり、TPSは「FORTNITE®(フォートナイト)」や「荒野行動™」などのゲームが知られています。

RTS

RTS(Real-time Strategy/リアルタイムストラテジー)は、リアルタイムで戦術や戦略を駆使してプレイする種目です。「ストラテジー」は英語で「戦略」を意味する通り、このゲームでは戦略的な意思決定が求められます。

RTSの典型的なプレイスタイルは、あらかじめ決められた拠点を守りつつ、敵の陣地を制圧することです。プレイヤーは1人で複数のキャラクターを操作しながら、戦略を練ります。効果的な戦略に加えて、とっさの判断力や素早い操作などのプレイヤースキルも必要です。

RTSに似たゲームにMOBAがあり、MOBAでは複数人がチームに分かれて拠点制圧を目指します。詳しくは次の見出しで紹介します。

eスポーツのタイトルとしては、「StarCraft II®(スタークラフトII)」や「Age of Empires®シリーズ(エイジ オブ エンパイア シリーズ)」、「WarCraft III®(ウォークラフトIII)」などが挙げられます。

MOBA

MOBA(Multiplayer Online Battle Arena/マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)は、4~5人のチームで戦略や戦術を駆使しながら相手陣地の制圧をめざす種目です。世界で最も盛り上がる種目として、高額賞金の大会も数多く開催されています。

MOBAの元となっているRTSとの違いは、プレイヤーの人数にあります。チーム競技であるMOBAはメンバーとの協力が欠かせず、効果的な戦略を練ることがより重要となるゲームです。eスポーツのタイトルには、「Dota 2®(ドータ 2)」や「League of Legends®(リーグ・オブ・レジェンド)」などがあります。

格闘ゲーム

格闘ゲームとは、プレイヤーが1人のキャラクターを操作して1対1で戦うゲームです。格闘ゲームというと、ストリートファイターやバーチャファイターなどのゲームを思い浮かべる方もいるでしょう。日本人にとって馴染み深く、実際に日本人の活躍が目立つ種目の1つとなっています。また、最近になって格闘ゲームが注目されている理由の1つは、全盛期を支えたタイトルが立て続けに発表されたからです。

eスポーツのタイトルには「Virtua Fighter esports™(バーチャファイターeスポーツ)」や「大乱闘スマッシュブラザーズ™」、「ストリートファイター6™」などがあります。

スポーツ

リアルなスポーツをそのままビデオゲームにしたものです。野球、サッカーなど実際のスポーツをオンライン上でプレイします。リアルスポーツ界隈でも、eスポーツのスポーツ種目が注目され、実際に最近では現役選手も参加してeスポーツを盛り上げることもあるようです。

eスポーツのタイトルには、「FIFA 23™」や「eFootball™」、「実況パワフルプロ野球™」などがあります。

パズルゲーム

パズルゲームは名前の通り、パズルを攻略する種目です。誰でも簡単に操作ができるため、昔から親しまれています。対戦相手よりも早くパズルを攻略することが勝利する条件になっており、ルールが単純明快でわかりやすいという特徴があります。

eスポーツのタイトルには、「ぷよぷよeスポーツ™」や「TETRIS® 99」、「パズドラ™」などがあります。

DCG

DCG(Digital Card Game/デジタルカードゲーム)は、紙のカードを用いる「トレーディングカード」とは異なり、物理カードではなくデジタルのカードでプレイします。プレイヤー同士が直接対面することなく、インターネットを通じて対戦できるため、いつでもどこでも試合が可能。また、デジタルならではの豪華な映像・音楽が魅力です。

eスポーツのタイトルには、「Shadowverse™(シャドウバース)」、「Hearthstone®(ハースストーン)」などがあります。

eスポーツのメリット

eスポーツのメリット

eスポーツは、競技としての魅力だけでなく、キャリア形成にも大きなメリットがあります。高度な反射神経や判断力が求められるだけでなく、チームワークやコミュニケーションスキルも自然と身につきます。

さらに、国際大会を通じた文化交流など幅広い可能性を提供してくれるでしょう。楽しみながら成長できる新しいステージとして、eスポーツはますます注目の存在となっています。ここでは、eスポーツのメリットについて紹介します。

年齢や体格、性別問わず楽しめる

eスポーツは、リアルに体を動かして競うスポーツとは違い、コンピューターゲームやビデオゲームを使い対戦するため、年齢や体格・性別によるハンデなく楽しめます。

環境が整えばどこでもプレイできる

リアルスポーツの場合は、コートやグラウンド、競技場がないとプレイできません。しかしeスポーツは、主にオンライン上のゲームで競い合うため、リアルな場所がなくてもゲーム環境を整えることでプレイが可能です。

テレビやゲーム機器、コントローラーを用意すれば場所を問わず競技できる手軽さも、eスポーツが支持される理由の1つです。

将来性がある

「eスポーツの市場規模」でも解説したように、eスポーツの市場は右肩上がりに伸びており、2025年には200億円規模まで成長する見込みです。最近の国内大会でも、賞金総額が3億円に達するなど、大きな盛り上がりを見せています。

リアルスポーツのプロ選手が活躍するように、将来的にはeスポーツのプロとして活躍できる可能性があるため、これからはeスポーツのプロをめざす人が増えることでしょう。

eスポーツを始めるには?

eスポーツは環境さえ整えば、「どこでも」「誰でも」楽しめます。ここではeスポーツの始め方を紹介します。これから始めてみたい方はぜひ参考にしてください。

プレイしたいゲームを用意する

まずはプレイしたいeスポーツのゲームを見つけ、始めてみましょう。これから大会出場を目指したい方は、大会で開催される数が多いゲームから選ぶという方法もあります。また、ゲームタイトルによっても、対応しているゲーム機器が異なるため、ゲーム機器から揃えるよりもまずは挑戦してみたいゲームから探すことをおすすめします。

プレイするためのデバイスを用意する

次に、eスポーツをプレイするために必要なデバイス※4を用意しましょう。挑戦するゲームによって、パソコンやスマートフォン、家庭用ゲーム機器など、必要なデバイスが異なります。また、eスポーツを本格的に楽しみたい場合は、一般的なパソコンやスマートフォンよりもハイスペック※5なデバイスが必要になります。各メーカーでは、ゲーム用のパソコンやスマートフォン、モニター、マウス、キーボードが販売されているため、その中から選ぶのも良いでしょう。

もし大会に出場したい、プロを目指したいと考えている場合は、ゲーム用パソコンをおすすめします。現在行われている高額賞金のeスポーツ大会は、パソコンゲームのものが多いからです。また、パソコンゲームはジャンルの幅が広いため、多くの選択肢から選べる点も魅力でしょう。

インターネット回線を整備する

eスポーツは基本的にオンラインで行われるため、インターネット回線を準備する必要があります。eスポーツの中にはデータ容量を多く使用するものがあるため、プレイ中に接続が途切れたり遅延したりすることがないように、通信速度の速い回線をおすすめします。

eスポーツを快適に楽しむためにも、インターネット接続環境はかなり重要になるため、回線選びは慎重に行いましょう。

その他、ゲーム配信に必要なアイテムについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

eスポーツを快適に楽しむためには回線が重要

先述の通り、eスポーツの中にはデータ容量を多く使用するものがあるため、今のご利用環境では、プレイ中に接続が途切れたり遅延したりすることもあるかもしれません。eスポーツの世界では、0.1秒の遅延が命取りになることもあります。

フレッツ光の「高速10ギガ回線サービス※6 ※7」では、インターネットの仕組み上どうしても起こってしまう回線の混雑を軽減させる仕組みを持っています。

たとえば、従来のインターネット接続環境は、軽トラック(少ない荷物)で一般道を走り、信号につかまって渋滞が発生し、車がとまって動かなくなってしまうようなイメージです。

一般道路のイメージ

一方「高速10ギガ回線サービス※6 ※7」は、大型トラックが高速道路を走っているイメージで、大きなデータをスムーズに通信しやすいことが特徴です。

高速道路のイメージ

実はどんなにいいパソコンやモニターがあっても、ネットワーク環境が悪ければその性能を発揮できません。eスポーツを楽しむために、まずはインターネット接続環境から見直すことをおすすめします。

フレッツ光 速さの裏側についてはこちら

まとめ:eスポーツはゲームをスポーツ競技として捉えたもの

eスポーツとは、コンピューターゲームやビデオゲームを使ったスポーツ対戦競技のことであり、ゲームをスポーツ競技として捉えたものです。eスポーツ市場は年々規模が拡大しており、今後もますます注目されていくでしょう。

eスポーツには、「年齢や体格・性別問わず楽しめる」「環境が整えばどこでもプレイできる」「将来性がある」という3つのメリットがあります。ただし、eスポーツを始める場合は、プレイしたいゲームやデバイスを用意するだけでなく、安定した高速通信を用意することも重要です。

eスポーツの中にはデータ容量を多く使用するものがあるため、安定したインターネット接続環境の構築をおすすめします。「快適にeスポーツを楽しみたい」「本格的にeスポーツを始めたい」という方は、ぜひ「高速10ギガ回線サービス※6 ※7」をご検討ください。

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