インターネットがつながりにくいと、動画を視聴したり、オンラインゲームで遊んだりするときにストレスを感じてしまいがちです。インターネットがつながりにくくなる原因は、インターネットの回線速度、自宅で使用しているパソコンやルーターの問題やプロバイダ側の回線障害などさまざまです。
本記事では、インターネット回線の通信速度が遅くなる原因や、回線速度を上げる方法をわかりやすく紹介します。
【用途別】インターネットが快適に使える回線速度の目安
インターネットを快適に使える回線速度は、用途ごとに異なります。利用シーンごとの目安は、以下のとおりです。
- メールやチャットのやり取り…128Kbps~1Mbps
- Webサイトの閲覧…1Mbps~10Mbps
- Web会議…1Mbps~30Mbps
- 動画の閲覧…0.7Mbps~20Mbps
- オンラインゲーム…30Mpbs~100Mbps
Mbpsは「メガビーピーエス」と読みます。これは、1秒間に送受信が可能なデータ量を示す単位です。たとえば、「25Mbps」の場合、1秒間に25Mbit(メガビット)のデータを転送できることを表します。Mbpsの数値が大きいほど、短時間で多くのデータを転送可能です。
使用中のインターネット回線速度・通信速度を確認する方法
現在使用しているインターネットの回線速度を確認する方法として、以下の方法があります。
- インターネット速度テストのサイト(SPEADTEST)を使って、「通信速度」をチェックする
ここで挙げた「回線速度」と「通信速度」という言葉は、それぞれ意味が異なります。
「回線速度」とは、技術規格における最大の通信速度のことです。回線事業者が定義している最大速度を表しています。
これに対して、「通信速度」はその瞬間のデータの転送速度のことで、「回線速度」よりも実際には遅くなるのが一般的です。
通信速度は、検索エンジンで「スピードテスト」と検索し、インターネット速度テストのサイトから確認可能です。
なお、回線速度を上げるには、現在利用している回線よりも速度が速い回線への乗り換えが必要です。
しかし、通信速度は改善できる可能性があります。通信速度が遅くなる原因と対処法について、次章から解説します。
インターネットがつながりにくくなる主な原因

続いて、インターネットの通信速度が遅くなる主な原因を解説します。
パソコンに不具合が生じている
パソコンなど、使用しているデバイス(端末)に不具合が生じている場合、インターネット回線の通信速度が遅くなることがあります。具体的には、次のようなケースが考えられます。
- OSが古い
- 空き容量が不足している
- ウイルスに感染している
- CPUのスペックが低い
「OS」とは、パソコンが動作するための基本的なソフトウェアです。また「CPU」は、パソコンがデータ処理を行うために搭載されている部品で、いわばパソコンの「頭脳」にあたります。
OSが古いまま更新されていなかったり、CPUの性能が低く処理速度が遅かったりすると、通信速度も遅くなる場合があります。また、パソコン本体のデータ保存容量が不足していたり、パソコンがウイルスに感染していたりすることも、インターネットがつながりにくい原因の一つです。
ルーターなどの接続機器が故障している
ルーターなどの接続機器が故障している場合にも、インターネット回線の通信速度に影響を及ぼします。
ルーターに不具合が生じると、赤色のランプなど通常では点灯しない色のランプに切り替わったり、点滅したりします。
また、ルーターとパソコンなどをつなぐLANケーブルが劣化して、通信速度が遅くなっている場合もあるでしょう。
無線ルーターの利用環境が適切でない
無線ルーターの利用環境によって、インターネット回線の通信速度が遅くなるケースも見られます。
たとえば、電子レンジなどの家電製品はルーターが放つ周波数と近く、お互いに干渉しあって不具合が生じることがあるでしょう。
また、無線ルーターの設置場所が悪いことが原因になっている場合も想定されます。無線ルーターは全方向へ電波を飛ばしていますが、部屋の隅や床に直置きすると電波がうまく飛ばず、通信速度が遅くなっているケースも少なくありません。
さらに、1台の無線ルーターに複数のデバイスを同時接続している場合、ルーターに負荷がかかって通信速度が低下している状況も考えられます。
アクセスが集中している
短時間にインターネット回線へのアクセスが集中して、通信速度が低下することもあります。
ネットワーク上で転送されるデータ量が多くなり回線が混雑することを「輻輳(ふくそう)」と呼びます。この状況が起きると、通信速度が遅くなってしまうでしょう。
たとえば、平日の夕方以降や休日など、インターネットを利用するユーザーが増加するタイミングには輻輳が起こりやすくなります。
プロバイダ側で回線障害が発生している
パソコンやルーターなど、利用者側に問題がなくても、プロバイダ側で回線障害が起きていると、通信速度に影響が出ることもあります。
プロバイダとは、インターネット接続サービスを提供する事業者のことです。たとえば、電話サービスなどを提供している通信事業者や、ケーブルテレビ事業者、電力事業者などがプロバイダに含まれます。
プロバイダ側で回線障害が起きる理由として、ソフトウェア更新中のエラーや、回線混雑、台風や落雷によるケーブルの断線などが挙げられます。
通信速度の改善が見られない場合は、プロバイダの公式サイトを確認したり、カスタマーサポートのチャットなどを通じて問い合わせしたりしてみましょう。
なお、プロバイダ側に原因がある場合、利用者側では対策を行うことができず、基本的には復旧を待つしかないといえます。
インターネットの通信速度を上げる方法
ここからは、インターネットの通信速度を上げる方法を紹介します。簡単にできる方法もあるため、ひとつひとつ取り組んでみましょう。
パソコンやルーターを再起動する
インターネットに接続しているパソコンなどのデバイスや、ルーターそのものを再起動してみましょう。デバイスをリセットすることで、通信速度が改善される場合があります。簡単に行える方法であるため、最初に試してみるのがおすすめです。
OSやファームウェアのアップデートを完了する
OSやファームウェアのアップデートが必要である場合、更新を完了させましょう。ファームウェアとは、パソコンのハードウェアを動作させるアプリケーションです。それぞれを最新の状態にすることで、通信速度が上がる可能性があります。
無線ルーターに接続しているデバイスの数を減らす
無線ルーターに接続するデバイスの数が多いと、通信速度が遅くなる傾向にあります。そこで、使用頻度の低いデバイスはルーターに接続しないよう、利用状況を見直すことも大切です。
無線ルーターの設置場所を変更する
無線ルーターの設置場所が遅延の原因である場合には、以下の項目を試してみてください。
- ほかの家電製品から離れた場所に設置する
- 壁や家具などの障害物が少ない場所に設置
- 床に直置きせず、床から1m~2mほど高い棚のうえなどに設置する
部屋の構造上、家電製品の近くにしか無線ルーターを設置できないこともあるかもしれません。
その場合には、無線ルーターの周波数を切り替えることで、解決する可能性があります。無線ルーターの場合、2.4GHzまたは5GHzの周波数が使われているのが一般的です。2.4GHzは家電製品と電波干渉が発生するケースもあるため、5GHzの方が安定して利用できると期待できます。
ただし、ご利用環境によって状況は異なります。そこで、どちらが適しているかを実際に試してみるとよいでしょう。
接続方法を見直す
ルーターとデバイスの接続方法も見直してみましょう。たとえば、無線LAN接続を有線へ切り替えてみるのも一つの方法です。有線LANの方が、通信が安定しやすい傾向にあります。
アクセスする時間帯を変える
可能であれば、インターネットにアクセスする時間帯を変えてみましょう。通信速度が低下しやすい時間帯を避けることで、快適に使える可能性があります。
たとえば、休日や平日の夕方以降に遅延することが多い場合、平日の朝や昼間を中心に利用するなど、利用するタイミングの調整も検討してみましょう。
性能の高いパソコンやルーターへ買い替える
使用しているパソコンやルーターが古い場合、性能の高いものへ思い切って買い替えることで改善することもあります。
処理速度の速いCPUや、十分な容量のメモリが搭載されているパソコンを利用すると、高速インターネット環境が実現しやすいでしょう。また、ルーターも買い替えることで、最新の規格に対応して通信速度が上がる可能性が高まります。
インターネットの回線速度を上げる方法

前述のように、インターネットの回線速度を上げるためには、現在よりも高速の回線速度サービスに切り替える方法しかないといえます。
ストレスを感じることなくインターネットを利用したい場合は、「高速10ギガ回線サービス※1 ※2」がおすすめです。
これまでのインターネット回線は、「フレッツ 光ネクスト」(最大(通信速度)概ね1Gbps)※3が主流でした。しかし、「高速10ギガ回線サービス※1 ※2」では、最大概ね10Gbps※4回線を利用可能です。実際に、複数台のパソコンやゲーム端末で同時接続※5した場合、コンテンツのダウンロード所要時間※6が従来の「1Gbps」「フレッツ 光ネクスト」(最大(通信速度)概ね1Gbps)※3よりも、平均約7倍※7速くなったというデータもあります。
たとえば、オンラインゲームをプレイしながら動画配信をしたり、リモートでオンラインミーティングを頻繁に行ったりする場合などには、「高速10ギガ回線サービス※1 ※2」がおすすめで、快適なご利用環境の実現が期待できます。
まとめ
本記事では、インターネットの回線速度を上げるための方法を紹介しました。
日頃、インターネットを利用するなかで「遅くてストレスを感じることがある」と思う方は、ぜひ本記事で紹介した項目を実際に試してみてください。
「それでも改善しない」「オンラインゲームや動画配信、オンラインミーティングなど、自分が頻繁にアクセスするコンテンツと、いまの利用環境が合っていない」という場合には、思い切って高速回線サービスに乗り換えることも検討してみるとよいでしょう。
ご利用環境を変えることで、インターネットをより快適に使えるようになると期待できます。
※1
10ギガ回線サービスとはNTT東日本が提供する「フレッツ 光クロス」および「フレッツ 光クロス」を元に光コラボレーション事業者さま※8が提供するサービスを指します。
※2
各特典には光コラボレーション事業者さま※8がそれぞれ定めた適用条件等がございます。また、初期費用等の別途費用が発生する場合もございます。
詳細は光コラボレーション事業者さま※8へお問い合わせいただくか、サイトにてご確認ください。
※3
最大通信速度は、技術規格上の最大値であり、実使用速度を示すものではありません。実際の通信速度は、お客さまのご利用環境(端末機器の仕様など)や回線の混雑状況により大幅に低下する場合があります。
※4
最大概ね10Gbpsとは、技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではありません。本技術規格においては、通信品質確保等に必要なデータが付与されるため、実際の通信速度の最大値は、技術規格上の最大値より十数%程度低下します。また、お客さまのご利用環境(端末機器の仕様など)や回線の混雑状況などにより大幅に低下することがあります。
※5
サービス同時利用(2021/07/15 17-18時台 都内実施・測定回数1回)
※6
デスクトップパソコン1台、ノートパソコン2台、無線端末1台、ゲーム機1台を同時に接続し、延べ8サービス(動画再生/ダウンロード)を実施したうちの6サービス(ダウンロード)を利用した場合の所要時間です。
※7
「平均約7倍」とは6サービス(ダウンロード)の結果を比較した倍率を平均した数値です。
※8
光コラボレーション事業者さまとはNTT東日本より光アクセスサービス(フレッツ光)等の提供を受け、自社サービスと光アクセスサービス等を組み合わせて、お客さまへサービスをご提供する事業者を指します。光コラボレーション事業者さまが提供するサービスについては、お客さまと光コラボレーション事業者さまとの契約になります。事業者一覧は
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