なぜ人は、配信者に会いに行くのか
POINT:配信で育まれたコミュニティが、リアルイベントへの熱狂を生み出している。
人気ストリーマーを中心としたオフラインイベントが年々規模を拡大する中、The k4sen Conもその代表的なイベントの一つとして成長を続けています。
なぜファンは配信画面の向こう側にいるストリーマーに会うため、会場へ足を運ぶのでしょうか。The k4sen Conの運営を担うGANYMEDE株式会社の岩田遼太郎氏に話を聞きました。
GANYMEDE株式会社執行役員 岩田遼太郎氏
Q. ファンはなぜ画面越しではなく、現地へ足を運ぶのでしょうか?
GANYMEDE 岩田氏
まずはじめに、コロナ禍を経てゲームをプレイしたり、他人がゲームをすることを見るということがより大きな趣味として認知されるようになり、少しずつ文化として醸成されました。
私もその変化を業界にいながら肌で感じてきました。その中で、日々のストリーマーが行うゲームや雑談配信の中では視聴者との双方向のコミュニケーションが行われています。
その双方向のコミュニケーションの中で起こる出来事は、やがて視聴者とストリーマーの中である意味での共通言語となり、その集大成としてThe k4sen Conのような場所が開催されると思っております。
2024年にk4senと初めてThe k4sen Conの企画会議を行った際も、海外で人気のQuakeConやコミコンなどファンが双方向に楽しめるイベントとして、Conというワードを採用したと記憶しています。
コロナ明け当初は、オフラインイベントそのものへの飢餓感がありました。
現在はストリーマー業界でもさまざまな大型イベントが開催されていますが、その中で私たちは「会場へ来る理由」を作ることを意識しています。
例えばThe k4sen Conでは、来場者が楽しめるカセコインシステムを導入しています。また、2024年から継続して実施しているリアルBuckshot Rouletteは、ストリーマーがお客さまを巻き込みながら展開する、The k4sen Conの象徴的なコンテンツになっています。
最近では「これを現地で体験したい」という理由で来場される方も増えているように感じています。私たちは、ただ観るだけではなく、できる限りインタラクティブなイベントでありたいと思っています。
Q. The k4sen Conで来場者に最も感じてほしかったことは何ですか?
GANYMEDE 岩田氏
The k4senは、k4senさんのユニークな視点や発想を、スタッフとともに形にしながら作り上げてきたブランドです。
The k4sen Conは、その集大成とも言えるイベントだと考えています。会場ならではの体験価値を高めるために、カセコインシステムのアップグレードなどにも取り組んできました。
そして何より、好きなストリーマーたちがThe k4senという枠組みの中で生み出すさまざまな化学反応を楽しんでいただきたいと思っています。
Q. 開催前に想定していた反応と、実際の来場者の反応でギャップはありましたか?
GANYMEDE 岩田氏
今回で3回目の開催ということもあり、来場者の皆さんの反応について大きなギャップはありませんでした。
ただ、さまざまなコンテンツで会場が一気に盛り上がる瞬間は、何度見ても嬉しいものです。来場者の熱量を直接感じられることは、イベントを開催する大きなやりがいにつながっています。
Q. The k4sen Conを通じて、「ストリーマー文化の広がり」を実感した瞬間はありますか?
GANYMEDE 岩田氏
The k4sen Conは、1年目の有明GYM-EX、2年目の東京ガーデンシアター、そして今年の代々木競技場 第一体育館と、年々大きな会場で開催できるようになりました。
もちろん会場規模だけを追い求めているわけではありませんが、この変化はストリーマー文化の広がりを実感する大きな指標だと思っています。
最初にイベントを始めた頃は、代々木第一体育館で開催するなんて想像もしていませんでした。代々木第一体育館は、The k4sen Conにとっても、ストリーマーシーンにとっても大きなマイルストーンだったと感じています。
配信の延長線上にある「リアル体験」
POINT:リアルイベントは、配信では味わえない熱量や一体感を体験できる場所。
The k4sen Conでは、配信コンテンツをそのままリアルに持ち込むのではなく、会場だからこそ生まれる体験価値が追求されています。
イベント制作を担当した株式会社CyberEの岩田弘道氏に、その裏側を聞きました。
株式会社CyberE 執行役員 岩田弘道氏
Q. The k4sen Con 2026 ではどのような体験を提供しようと考えましたか?
CyberE 岩田氏
今回は過去2回と比べて、デジタルゲームだけではなくマインドゲームやフィジカルゲームを多く取り入れました。
テーブルゲームやフィジカルゲームは、プレイヤーの身体的なリアクションや緊張感が直接伝わりやすいという特徴があります。そのため、「プレイヤーが感じる楽しさや緊張感をどう観客に伝えるか」というところから設計しました。
また、k4senさん独自の感性やアイデアを、できる限りそのままの温度感で形にすることを重視しています。
Q. 来場者が最も熱狂するポイントはどこだと考えていましたか?
CyberE 岩田氏
The k4sen Conのようなイベントでは、ファンコミュニティと運営側が同じ温度感を持つことが重要です。
配信の中で生まれるネットミームやストリーマー同士の関係性を理解し、それをどのようにイベントとして表現するかによって、会場の熱量は大きく変わります。そこは特に意識したポイントでした。
Q. 配信視聴者と現地来場者では、体験価値はどのように違いますか?
CyberE 岩田氏
現地の最大の魅力は、イベント全体の熱気や熱量をそのまま感じられることです。
配信では届けきれない空気感や一体感があり、出演者と来場者が同じ瞬間に感情を共有できる。そうした非日常体験が、リアルイベントならではの価値だと思っています。
Q. 「このイベントを開催して良かった」と感じた瞬間は?
CyberE 岩田氏
イベント終了後、来場者や視聴者の皆さんがSNSで感想を発信している様子を見ると、本当にやって良かったと思います。
イベントはさまざまな課題や困難を乗り越えて作り上げるものですが、その結果として出演者・来場者・視聴者の皆さんに満足していただけたと感じられる瞬間は、他では得られない達成感があります。
画面の向こうから始まるファン体験
POINT:The k4sen Conの熱狂は、イベント当日ではなく日々の配信から始まっている。
The k4sen Conの魅力は、イベント当日だけで完結しないことです。日々の配信、動画、SNSでの交流が積み重なり、その先にリアルイベントがあります。
実際に来場したファンと運営の双方に話を聞きました。
Q. なぜThe k4sen Conに参加しようと思いましたか?
来場者
以前参加したイベントが想像以上に楽しかったことが大きな理由です。
配信で見ていても熱気が伝わってきていたので、実際に会場で体験してみたいと思いました。
Q. 配信と現地ではどのような違いがありましたか?
来場者
一番違ったのは音圧と熱気です。
普段コメント欄で見ているファンの皆さんが同じ空間にいて、会場全体が盛り上がる感覚は配信では味わえません。自分もその空間の一部になったような感覚がありました。
Q. あなたにとってThe k4sen Conとはどんな存在ですか?
来場者
チケットが当たってから当日まで、仕事やアルバイトを頑張るモチベーションになっていました。
自分にとっては、生きる活力であり、忘れられない夏の思い出です。
Q. The k4sen Conの熱狂は、イベント当日だけで生まれるものではないと思います。この点をどう捉えていますか?
CyberE 岩田氏
私自身、イベントはストリーマーたちが日々の配信で紡いでいる物語の交差点のようなものだと考えています。
配信者同士の交流や長年積み重ねてきた関係性があり、そのストーリーがイベントで爆発する。そうしたオンラインでの積み重ねがあるからこそ、会場で生まれる一つひとつのシーンに意味が生まれるのだと思います。
Q. 配信・動画・SNSはイベント体験の中でどのような役割を持っていますか?
CyberE 岩田氏
配信や動画、SNSはストリーマーにとっての主戦場です。
それらの日々の活動があるからこそ、オフラインイベントがより楽しいものになります。The k4sen Conは、オンラインで応援してくれているファンの皆さんへの還元の場でもあると思っています。
Q. 今後もこのようなイベントに参加したいと思いますか。
来場者
ぜひ参加したいです。
配信では味わえない会場の熱気や一体感を体感できるのが大きな魅力です。好きなストリーマーとファンが同じ空間に集まる特別な体験を、また現地で楽しみたいと思います。