最新ディスプレイ事情〜美しさと省電力を目指して
テレビでもパソコンやスマホでもより高い画質、より美しい映像を求めるディスプレイの進化は止まりません。そしてもう一つのキーワードは省電力。特にバッテリー消費の気になるスマホでは美しさ、見やすさもさることながら消費電力を抑えることはとても大切です。今日はそんなテレビ、ディスプレイにまつわるキーワードを解説していきます。
-
とどまることのないテレビの高画質化
1.とどまることのないテレビの高画質化
より美しい映像を求めたテレビの高画質化はとどまることを知りません。現在よく聞かれるキーワードが「4K(よんけー)」そして「スーパーハイビジョン」の2つです。これらはいったいどれほどきれいに見えるのでしょう?
■4Kテレビ

4Kの「K」はキロ、つまり1,000を意味します。つまり4Kは4,000のことです。テレビの画質を決める「解像度」が横約4,000×縦約2,000画素の解像度を表します。これを省略して4Kと呼んでいます。
表のように、現在の「フルHD」や「フルハイビジョン」などと呼ばれているテレビは横約2,000×縦約1,000画素なので、4Kは同じ面積でフルHDの約4倍の画素数を実現していることになります。
その結果、4Kテレビの映像の美しさは「ディスプレイの存在を感じさせない」「目の前に現実のように見える」などと表現されることもあるほどです。
毎年1月にアメリカのラスベガスで開催されるデジタル家電の展示会「Consumer
もちろん、この高画質映像を見るためにはテレビ(ディスプレイ)だけでなく、映像(コンテンツ)がこの解像度に対応していることが必要です。現在4Kテレビに対応したコンテンツは、まだ揃っていないようです。一方では、アナログからデジタルへの移行した時と比べて現在のフルHD画質を4K画質に移行させる方がずっと簡単とも言われています。
4Kテレビはすでに市販されているので、量販店などでご覧になったことのある方もいるでしょう。大画面で価格もまだ非常に高いので、すぐに手が出せるものではありません。さらに現在では4K対応の映像コンテンツがない、データの容量が大きすぎる、といった問題も聞こえてきます。とはいえ4Kのテレビ放送は2014年7月、つまり来年の7月に、まずサッカーワールドカップブラジル大会に合わせて開始される予定です。その時でも4K映像のデータは現在の地上デジタル放送の電波帯域では足りないので、衛星放送のCSから開始するようです。
■スーパーハイビジョン

4Kをさらにしのぐ高解像度の映像がスーパーハイビジョンです。英語では「8K Ultra High
スーパーハイビジョンは、NHKが1990年代に研究を開始し、2011年にはこの解像度に対応するディスプレイは開発されています。最近では、2012年のロンドンオリンピックのパブリックビューイングで145インチのスーパーハイビジョン放映を行ったので、ご覧になった方もいるかもしれませんね。
もちろん、4K放送もまだ開始していない中で解決すべき課題もさらにたくさんあるのですが、スーパーハイビジョンは2020年の本格放送開始を目指していると言われています。
■スマートTVでパソコンとテレビが合体?

ここで、画質の話とは異なりますが、テレビに関してこちらも最近よく耳にするキーワードである「スマートTV」についても触れておきましょう。
「スマート家電」という言葉を最近よく聞きますよね。スマート家電とは、一般的にはスマホを使ってネットワーク経由で制御できる家電を指します。それをテレビに利用するのがスマートTVです。もちろんテレビは家電の中でも映像やコンテンツを見る、という点ではスマホと機能が近いので、よりそのイメージが具体的です。
たとえば、スマホを使ってテレビにアプリをダウンロードして動画を観る機能が追加されたものです。これにより、1台のテレビで地上波放送や衛星放送はもちろん、Youtubeの動画を観ることもできるようになります。スポーツの試合をテレビ観戦しながらツイッターをしたり、チャットをしたりする行為が1台のテレビ(ディスプレイ)で行うことができます。電話アプリを使って本当の意味での「テレビ電話」も実現できるかもしれません。