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週刊フレッツ vol.154

ブロードバンド徹底活用講座

パソコン買い替え時に役立つ「ファイル&設定」移行ガイド(基礎知識編)

パソコンは、数年おきに買い替えのタイミングがやってきます。その際に困るのが「どうやって、これまでのファイルや設定などのデータを新しいパソコンに移すか」ということ。特に最近は、データの種類や容量が増えているため、昔のようにフロッピーディスク1枚で簡単にコピーやバックアップを…というわけにはいきません。

そこで誰もが直面する、パソコンのファイルや設定を
新しいパソコンへ移し換えたり、バックアップをとるための「移行術」を、2回にわたって詳しく解説します。
今回はまず、ファイルや設定の移行に必要な基礎知識と、Windows XPの付属ツールを使った「カンタン移行術」をご紹介します。

Chapter1 まず新しいパソコンに移すものを確認する

移行できるものとできないものがある

パソコンが新しくなっても、元のまま使い続けたいものは結構あるものです。たとえばワードやエクセルで作成した文書ファイルや、デジカメやビデオカメラで撮影した画像ファイルなど。他にもメールのメッセージや、送受信に必要なメールソフトの設定などは、そのまま移したい方がほとんどでしょう。
これらのファイルや設定を新しいパソコンに移すには、いろいろな方法がありますが、まず初めに「どのファイルや設定を移すか」を確認しておきましょう。ファイルや設定の種類によっては新しいパソコンにそのまま移せないものがあり、内容や種類等によって、移行方法の選択も変わってくるからです。
そこでまず、移行できるものとできないものを整理して、以下にご説明しましょう。

移行できるもの

新しいパソコンに移せるものは、
大きく分けると以下のとおりです。

■メール
メールソフトで送受信したメールのメッセージです。
■メールソフトの設定
送受信に必要なユーザアカウントやパスワード、
メールサーバの設定などです。
■アドレス帳
送信先のメールアドレス等を登録したものです。
■お気に入り(ブックマーク)
ブラウザの種類によって移せない場合もあります。
■マイドキュメント
文章や画像などのファイルです。
新しいパソコンにそのまま移せるもの

移行できないもの

以下のものは、そのまま移すことはできないため、
あらためてインストールしたり、再設定を行う必要が
あります。

■ワードやエクセルなどのアプリケーション(ソフトウェア)
■認証IDなどの設定情報(さまざまな場面で使用する
ユーザID、パスワード、インターネットの接続設定、
オートコンプリートなど)
■各種ドライバ(プリンタ、スキャナなどの周辺機器を
使うときに必要なドライバソフト)

この他、パソコンの機種やメーカに特有のソフト(販売時にメーカがプリインストールしているソフト)は、他のパソコンに移せない場合がほとんどです。
基本的に再インストール・再設定が必要なもの

以上を参考に、まずご自分のパソコンに保存されているファイルや設定を確認してみましょう。
また、上で挙げた「移行できるもの」は、パソコンに万一のことがあった場合、失われてしまう可能性があるものばかりです。日頃からバックアップをとっておく習慣をつけると、より安心です(バックアップの手順については、次回詳しくご説明します)。

移行するデータの容量を確認する

移行するデータの種類を確認したら、次にそのデータがどのくらいの容量なのかを調べておくことが必要です。
Windowsでは、調べたいデータの含まれているフォルダを開いた状態で、ウインドウ表示形式を「詳細」に
切り替えたり、カーソルをデータのアイコンに合わせると、容量などが表示されるようになっています。

移行するデータの容量を確認する


Chapter2 データを移すにはどんな方法がある?

データ容量や利用環境によって、方法はいろいろ

これまで利用していたパソコンの中に保存されているファイルや設定を新しいパソコンに移すためには、さまざまな方法があります。バックアップも兼ねるのであれば、各種記録メディア(CD-R、DVD-Rなど)や外付けハードディスクを利用するのが一般的でしょう。その他にも、パソコン同士をLANで接続すれば、データ共有という機能を使ってデータを移すことも可能です。またWindowsXPに付属している「ファイルと設定の転送ウィザード」という
ツールを使うと、データの移行作業が楽になる場合もあります。
どの方法を選べばよいのかは、移したいデータの容量や利用環境によって変わります。データ容量が比較的
小さい場合は、各種記録メディアを使うとよいでしょう。データ容量が大きい場合や、古いパソコンもそのまま使い続ける場合などは、LANでつなぐ方法がいろいろな意味で便利です。以下に、代表的な方法をピックアップして、
ご紹介します。

外付けドライブや各種記憶メディアを使う方法

USBメモリを使う(移行するデータ容量の目安=1GB程度まで)

最近、急速に普及しているのが、このUSBメモリです。
パソコンのUSB端子に差し込むだけで使えるという手軽さと、小型・軽量なので持ち運びに便利というのが人気の秘密です。最近は1GBクラスの大容量タイプも販売されるようになり、価格帯、商品の種類ともに幅広いのが特徴です。
USBメモリのメリット

CD-R、DVD-R等を使う(移行するデータ容量の目安=4.7GB程度まで)

CD-RやDVD-Rなどの記録メディアは、持ち運びしやすいのが最大のメリットです。また、ほとんどのパソコンには再生用のドライブが付属しているので、他の人に渡したり、複数台のパソコンにデータを移すような場合にお勧めの方法です。
ただし、データを書き込むためのドライブがあるかどうかという点には注意が必要です。CD-RやDVD-Rを再生できても、書き込みができないタイプのパソコンは結構あります。その場合は、外付け式のドライブをパソコンに接続することが必要です。
CD-R、DVD-R等のメリット

外付けハードディスクを使う(移行するデータ容量の目安=数十〜数百GB程度まで)

最近は数十GB〜数百GBという大容量の外付けハードディスクが普及しており、価格も安くなっています。単にファイルや設定を移すだけではなく、万一のときに備えてバックアップをとっておくことも目的として考えるのであれば、一番お勧めの方法と言えるでしょう。データの読み書きを行う速度が、各種記録メディアより速いという点も、ファイル容量が大きい場合には助かります。
ただ、複数台のパソコンをLANなどで同時に使用する場合は、お互いが外付けハードディスクとして機能するようなものなので、後述のようにLANを経由したデータ移行方法の方が手軽でお勧めです。
外付けハードディスクのメリット

この他にも、デジカメや携帯電話などでおなじみの各種メモリーカードを使う方法もありますが、考え方はCD-Rなどの記録メディアを使うときとまったく同じです(ただし、パソコンがメモリーカードに対応しているか、外付けのカードリーダーが必要です)。
いずれにしても、移行したいファイルの容量や、利用するパソコンの台数利用環境などを考えて、自分に一番合った方法を選択しましょう。

ワンポイント
ちょっと上級者向けのテクニックになりますが、iPodなどのデジタル携帯音楽プレーヤーを使う方法も
あります。ハードディスクタイプのプレーヤーは外付ハードディスクとして、フラッシュメモリタイプのプレーヤーはUSBメモリとして使うことができるからです。

LANを使う方法

複数台のパソコンを使うならば、LANを使う方法が便利です。CD-RやDVD-Rのような記録メディアが不要で、
写真や動画など、比較的容量の大きなファイルも気にせずに移せます。
また、このLANと、外付けハードディスクを組み合わせたような方法として、「NAS(Network Attached Storage)」と呼ばれるハードディスク内蔵型の端末を利用する方法もあります。

LANを利用したファイル共有やNASについては、ブロードバンド徹底活用講座vol.138『ブロードバンドユーザのためのLAN活用ガイド』vol.140『ブロードバンドユーザのためのLAN活用ガイド(ファイル共有編)』で詳しく解説しています。ぜひ、そちらもご参照ください。


Chapter3 Windows XPの付属ツールを使っても、ファイルや設定を移せる

Windows XPのパソコン同士なら作業はとても簡単!

WindowsXPに標準で付属している「ファイルと設定の転送ウィザード(以下、転送ウィザード)」は、パソコン間でさまざまなデータを移す場合に、とても作業を簡単にしてくれる便利なツールです。各種記録メディアを使って手作業でデータを移した場合、作業が完了するのに半日以上かかる…というケースもありますが、この付属ツールを使えば、作業は短時間で終えられます(もちろん、データ容量によって所要時間は変わります)。

「転送ウィザード」を使うときの注意点

転送ウィザードを使ってデータ移行を行うときはLAN接続がベター

「転送ウィザード」を使うには、いくつか注意すべき点があります。まず、データを移す新旧のパソコン間がLAN接続できる環境がベターです。なぜなら、記録メディア等に「バックアップ」をとってデータを移すのであれば、転送ウィザードを使わずにファイルのアイコンを「ドラッグ&ドロップ」でコピーする方が簡単な場合も多いからです。「転送ウィザード」は、LAN経由でさまざまなファイルや設定を一括して移せるところが最大のメリットであると言えます。
ブロードバンドルータでLANを構築している場合なら現状のままでOK

2台のパソコンを直接LAN接続する場合にはクロスケーブルが必要

また、このようにLAN経由という形でファイルや設定を移すには、新旧両方のパソコンが手元にあることが必要です。買い替えの際に古いパソコンを下取りに出した場合など、古いパソコンが手元にない場合は、いったん記録 メディアにバックアップをとる方法を選ぶことになります。


「転送ウィザード」を使って、ファイルや設定を新しいパソコンに移すには

古いパソコン(転送元のパソコン)で行う作業

(1)「ファイルと設定の転送ウィザード」を起動する

(1)「ファイルと設定の転送ウィザード」を起動する
「スタートメニュー」→【すべてのプログラム】→【アクセサリ】→【システムツール】→【ファイルと設定の転送ウィザード】の順にクリックすると、「転送ウィザード」が起動して画面が開く。

(2)初めに「転送元」パソコンの設定を行う

(2)初めに「転送元」パソコンの設定を行う
「転送ウィザード」が起動すれば、基本的には画面の指示どおりに作業を進めていくだけでOK。最初に、作業を行うのが「転送元」のパソコンなのか、「転送先」のパソコンなのかを尋ねられるので、ここでは「転送元」と指定する。

(3)データの転送方法を指定する

(3)データの転送方法を指定する
データの転送方法は「その他」を選び、【参照】をクリックする。

(4)データの保存場所を指定する

(4)データの保存場所を指定する
表示された画面の「マイドキュメント」の中に、保存先のフォルダを新たに作成(ここでは「データ移行用フォルダ」と名づけている)。

(5)転送するデータを選ぶ

(5)転送するデータを選ぶ
「設定のみ」「ファイルのみ」「ファイルと設定の両方」という3つのパターンから選べるようになっているので、該当するものを選択して【次へ】をクリック。
※「設定のみ」ならば移行作業は短時間で終わりますが、ファイルを含む移行作業は、容量によって時間がかかる場合もある。

転送するファイルや設定を個別に指定する場合は、画面左下のチェックボタンにチェックを入れてから【次へ】をクリックすると、ファイルや設定を指定できる画面が開くので、転送不要なものを外していく。

 

(6)バックアップの開始

(6)バックアップの開始
新しいパソコンに必要なソフトウェアを
あらかじめインストールしておくように案内の画面が
表示されたら【次へ】をクリック。
すると、バックアップ作業が始まる。
バックアップが完了すると、先ほど指定した保存先のフォルダの中に、バックアップデータのファイルが作られる。

ワンポイント
新しいパソコンでの作業に移る前に、古いパソコンのデータを他のパソコンからも見られるように、共有設定を有効にしておく必要があります。共有設定を有効にする手順はブロードバンド徹底活用講座vol.140『ブロードバンドユーザのためのLAN活用ガイド(ファイル共有編)』のChapter2で詳しく説明していますので、そちらをご参照ください。

新しいパソコン(転送先のパソコン)で行う作業


古いパソコン(転送元のパソコン)側での作業が完了したら、次は新しいパソコン(転送先のパソコン)で作業を行います。

あらかじめ、必要なソフトウェアをインストールしておくこと

Microsoft Officeなど、「設定ウィザード」では転送できないソフトウェアをインストールしておきます。
複数のユーザでパソコンを共用する場合は

ファイルや設定の内容は、ログインしているユーザに反映されるので、作業時に違うユーザが使っていた場合には、ログインし直すことが必要です。


以上の準備作業が終わったなら、新しいパソコンで「転送ウィザード」を起動します。

(1)「転送先」のパソコンを指定する

(1)「転送先」のパソコンを指定する
ここでは、「転送先の新しいコンピュータ」を選択。

(2)古いパソコンからデータを移す

(2)古いパソコンからデータを移す
【次へ】をクリックすると、ファイルと設定を保存した場所を尋ねられるので、先ほど指定した「マイドキュメント」にある「データ移行用フォルダ」の中に作成されたバックアップ データを選択すると、転送が開始される。

(3)ウィザードディスクの作成は不要

(3)ウィザードディスクの作成は不要
次の画面では「ウィザードディスクは必要ありません。
既に、古いコンピュータからファイルと設定を収集しました」にチェックを入れて、【次へ】をクリック。

(4)ファイルと設定の転送が終われば作業完了!

(4)ファイルと設定の転送が終われば作業完了!
転送にかかる時間は、データの容量などによってかなり変わるが、設定だけならば数分で転送が可能。
数GB以上のファイルを転送する場合は、数十分以上、時間がかかることもある。

最近は、パソコンで扱うデータ自体の容量も大きくなり、データを移行するのもなかなか一苦労です。しかしLANがあれば、今回ご紹介したような方法で、手間も時間もかからず作業を済ませられて便利です。皆さんもぜひ一度お試しください。次回は、今回も少し触れた、各種メディアを使ってバックアップをとりながら行うデータ移行術をご紹介します。



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